オンラインセミナーは営業に繋がりにくい」はウソ!
オンラインセミナー、ウェビナー、ウェブ配信セミナーなど、呼び名は様々ですが、いわゆる、インターネットを通じて、受講することができる経営セミナーが増え続けています。(このコラムでは「オンラインセミナー」に統一します)
参加者である経営者にとっては、セミナー会場に移動することなく、オフィスや自宅に居たまま、パソコンやスマートフォンから経営セミナーを受講できるため、時間の無駄もなく手軽に経営を学べることから、参加者が増え続けています。
また主催者や講師にとっても、セミナー会場が不必要なことから、コストも抑えて経営セミナー開催をすることができ、しかも、経営者を集客がしやすくなるメリットがあることから、今後も、オンラインセミナーを開催する会社が増えていくことが予想されます。
しかし、オンラインセミナーを開催したことがある会社、あるいは、開催を検討している会社から聞こえてくるお悩みが、「オンラインセミナーは、集客が楽になる一方で、その後の営業に繋がりにくい。そのため、開催しても売上に貢献しない」という声。
しかし、その考え方は捨て去らねばなりません。オンラインであっても、オフラインと変わらない、あるいはそれ以上の営業効果を生み出すことが可能なのです。
そこで、経営者を集客してオンラインセミナーを開催する場合に、失敗しないポイントを3つに整理してご紹介いたします。
【オンラインセミナーのコツ(1)】参加者を飽きさせない!
オンラインセミナーの典型的な失敗例が、「オフラインセミナーと同じ流れ・トーンで話をしてしまうこと」です。これをやってしまうと、20分や30分、場合によっては1時間以上、一方的に講師が話し続けることになります。その結果、視聴している参加者は完全に飽きてしまい、オンラインセミナーを視聴していたパソコンで、そのままメールをチェックし始めたり、ネット検索で別のことを調べ始めたりして、いわゆる『内職』をやり始めます。
これは、どんなに素晴らしいプレゼンテーション能力をもった講師であっても、所詮は画面上で話をしているだけですので、テレビ番組と同じで、参加者の集中力が途切れて他のことに気が移ってしまうのです。
そのため、例えば、10分や15分に1回くらい、参加者に対して、チャット機能やアンケート機能などを使って、あるいは、直接、マイクを通して話しかけることで、参加者にもオンラインセミナーに「参画」させる工夫が欠かせません。
あるいは、登壇者を講師1人だけにするのではなく、司会者を置いて、その司会者が途中で質問を投げかけて、それに講師が答えるような進行を取り入れることで、全体の進行の中で、変化を設けることも有効です。
「参加者を飽きさせない!」ということを強く意識し、全体の運営・進行を企画し直してみましょう。
【オンラインセミナーのコツ(2)】距離感を縮める!
オンラインであろうと、オフラインであろうと、参加者である経営者と講師との距離感を縮めることは、経営セミナーの成功にとって欠かせない条件です。
そのため、オフラインのセミナーであれば、参加者1人1人に向けて質問をしてみたり、表情を見て理解度を確認しながら伝え方を変えてみたり、あるいは、開始前や休憩の時間で名刺交換や雑談をしたり、、、そんなことを自然となさっているのではないでしょうか?
同じようなことをオンラインセミナーでも実施せねばなりません。
そのために欠かせないことが、
- カメラでの「顔出し」を必須とする。
- 参加者を10名までとする。
この2つです。
オンラインセミナーの場合、顔出しをせずに参加できるものが多いです。参加者の立場だと、そのほうが参加もしやすくて良いのですが、主催者や講師の立場で考えると、参加者の表情も見えず、受講態度も分からず、という状態になり、どのくらい本気でセミナーに参加してくれているのかが全く掴めません。もしかしたら、他の仕事をしながら参加している人ばかりだとしたら、そんなオンラインセミナーにどんな意味があるのでしょうか?
それを防ぐためには、参加ルールとして「顔出し」を予め伝えた上で募集をすることです。「顔出し」をルールにすれば、ひとりひとりの表情や態度もある程度掴むことができます。そして、ちょっと難しそうな顔や不安そうな顔をしている参加者がいれば、「●●さん、何か分からないことありましたか?」と質問を投げかけることもできます。そして、その瞬間は、講師と参加者が1対1でコミュニケーションを取ることになりますので、オフラインのセミナー同様に、講師と参加者の距離感がグッと縮まることになるのです。
ただ、このためには、参加人数をある程度、絞る必要があります。
大人数では、「顔出し」をしても全員の表情は見えません。また、質問などでコミュニケーションをとることも全員とは不可能です。さらに、大人数での「顔出し」には抵抗感を持つ参加者も少なくないため、印象が良くありません。そのため、参加人数は10名までがベストです。
少人数制で、全員が「顔出し」し、コミュニケーションを取りながら進行することで、オフラインのセミナーと同様に、距離感を縮める運営を心がけましょう。
【オンラインセミナーのコツ(3)】厳しめの参加ルールを明確に示す!
ここまで書いたことをご覧になって、「顔出し必須は厳しすぎないか? 嫌がって参加者が減るのではないか?」とお感じになった方も多いかもしれません。
しかし、大切なことを忘れてはいけません。そもそも、オンラインセミナーは、参加者にとって大変ハードルが低く、参加がしやすいのです。そのため、到底、営業の見込み顧客にはなり得ない『情報収集だけを目的にした参加者』が増えやすい傾向があります。そのため、ある程度、参加のためのハードルを高くしても、参加しなくなるのは『情報収集だけを目的にした参加者』であって、本来、参加をして欲しい層はきちんと参加してくれます。つまり、そのほうが質の良い参加者だけが集まる価値の高いオンラインセミナーができるのです。
そのため、例えば、
「参加にあたっては、カメラをONにして顔出しを必ずお願いします」
「個別にご質問もさせていただくので、その際はマイクを使ってお話ください」
「時間厳守でお願いします。15分以上遅れての参加はお断りします」
「途中参加はお断りしていますので、最後まで必ず受講ください」
といった、少し厳しめの『参加ルール』を定め、事前に明確に伝えることが大切です。そうすることで、意欲の高い人だけが参加することになるため、主催者や講師にとって、本来の目的であるバックエンド商材の提案・販売に繋げやすい環境がオンラインでも整うことでしょう。
セミナーではなく『個別面談』という意識で運営しよう!
ここまで書いた3つのポイントを実践することで、オンラインセミナーであっても、オフラインと同じ水準で、営業に繋げ、バックエンド商材の提案・販売に繋げられるようになります。
それ以上に、本来はオンラインセミナーのほうが、講師と参加者との距離感を縮めることができ、参加者に対する説得力も高めることができ、その結果として、営業活動が進みやすい特徴を持っていることを主催者は認識すべきです。
なぜなら、オンラインセミナーは、参加者にとっては画面いっぱいに講師の顔が映し出されます。その様子は、まるで1対1の個別面談をしているかのような雰囲気です。つまり、仮に10名の経営者が参加するオンラインセミナーがあった場合、講師の立場にとっては、10名の経営者と同時に個別面談をしているのと同じだけの効果を得られる可能性があるのです。
このようなことは、オフラインセミナーでは絶対に不可能なことであり、オンラインだからこそ実現できる大きな可能性なのです。
ぜひ、そんなオンラインセミナーが運営できるよう、ご紹介した3つのポイントを押さえて企画をお進めください。